
さいきん工房の近所の民家で見かける貼り紙というか、お札(ふだ)である。どの家にも表玄関か、あるいはこの家のように門柱に貼られている。
ずっと前から見ていて何だろうと気にはなっていた。春になってやけに目につくようになったのは、新しく貼り替えられ、紙の白さが目立つからである。
工房から少し離れたぼくの住む福島地区にも、商売繁盛、家内安全のお札なら、近くの神社から毎年新しいのが配られてくるが、これはぼくが住むあたりにはない。
またお札なら普通、○○神社とか○○寺とか書いてあってもよさそうである。どうも神仏信仰とは別のものらしい。絵だけで素っ気なくて、宣伝っ気もなんにもない。民間信仰のひとつという感じがする。
絵は木版のようである。描かれているのは、鬼だろう。
家の入口に貼ってあるところを見ると、魔よけのためかと思われる。盗人や病魔がやって来ても、この家にはこんな鬼がいますよと、侵入を思いとどまらせるためのお札。
ただ、手足はウナギのシッポのようにふにゃふにゃと曲がって、目はまん丸のくりくり目。なんとも弱そうな鬼である。用心棒にしてはかなり頼りない。
さて本当はなんのお札だろうか。こんど大家さんに会ったら聞いてみよう。
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