先週末に腰を痛めてしまい、ここ何日か仕事を休んでいる。
痛めた日は大きなテーブルの納品だった。
長さが230センチもあった。幅は90センチ。二人でやっと持てるぐらいの重量級である。それを3人で外階段から二階に搬入した。
それだけの大きさだと、一体で作ると階段を上がらないので、天板と脚は別々に作り、搬入した後組み立てる方式にした。
さて重いのは天板である。
階段がそれほど広くない上に、途中折り返しがあった。板をほとんど立てた状態で登るようだ。
万が一ぶつかっても傷がつかないよう、天板を毛布で厳重に包んだ。
成り行きで、わたしが一番下を受け持つことに。
登りはじめると、下は想像していた以上に重い。かといって途中で持ち場を交代するわけにもいかず、一旦置いて休むこともできず、歯を食いしばって進むしかなかった。ほんと、いっぱいいっぱいだった。
二階の部屋までたどり着いたときは、大仕事を終えほっと安堵したが、腰はすでに悲鳴を上げていたようだ。鈍痛が腰から背中に走った。
翌日、朝から痛みがひどいので医者に行くと、レントゲンを撮ってくれた。その場で画像を見ながら説明を聞いた。
しばらくすれば痛みは取れるだろうが、背骨の間の軟骨がつぶれている所が診受けられる。これは長年の酷使によるもので、かなり状態は悪いとのこと。腹筋に力がないと腰の負担が大きくなるので、痛みが引いたら腹筋を鍛えるようにと言われる。痛み止めと湿布薬をもらった。
ここ何年も、ケガをして仕事を休んだことはなかった。
これも与えられたいい機会だと思い、ゆっくり静養を決め込んだのだが、さて何をして過ごすか。
平日の昼間だから、テレビは見るものがない(もともとテレビはあんまり見ないが)。リモコンでチャンネルを行きつ戻りつしていたが、無駄に思えてきて、パソコンの前に移動。ネットでも見て暇をつぶすかと思ったが、ネットサーフィンも1時間もすると飽きてしまう。
それならと本を読み始めたのだが、痛みのせいかこれも集中ができず放りだした。
これと言ってやることがないのだ。
何かしてないと片時もいられない。これは現代人特有の病か。
そうこうしている内に娘が帰ってきた。いまはテスト中だから帰りが早いのだ。
うるさいと苦情を言われるのもいやだから、公園でも行って昼寝をするかと、出かけた。
近くの小幡公園に行った。子供がまだ小さかったころ、よく連れて来た公園である。
幸い、ウォーキングの人がたまにいるぐらいで、ほとんど人っ気がなかった。
広場の芝が青々と輝いている。7月の芝はとびきり美しい、と思う。
隣にある無人の野球場も、こうやって改めて眺めると風情があるものだ。
靴を脱ぎ、ベンチに寝ころがった。
公園の下を流れる川の音と川風が心地よい。
薄曇りの空に目をやると、上空高くに鳥が悠然と飛んでいる。
カラスよりは二回りぐらい大きい。茶色に見えるがトンビではなさそうで、ノスリか何かだろう。
高いところを気持ちよさそうに、上昇気流にうまく乗って、グライダーみたいに漂っている。
なにか獲物を探しているというより、ただ風を楽しんで空をセーリングしているようにみえる。
広げた翼の傾きを少し変えると、すぅーっと滑るように横へ移動する。まったく羽ばたかなくても、動きは自由自在。
ゆっくり旋回し、山の向こうに隠れたか思うとまた僕の視界に戻ってくる。その繰り返し。
それを飽かず見ていた。

壁?塀?どっちともいえる
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