ムスメが新しいバイトを始めた。
その前は、昨年の暮れ近くから「ふぐ料理屋」でバイトをしだしたのだが、どうにも嫌だったようで、春になる前に辞めてしまった。
店長とうまくいかなかったらしい。
「生まれてこの方、あんな信頼できない大人は見たことがない」、と我がムスメ。散々なことを言う。
娘にも至らないところがあったに違いないが、親としては、ここはムスメの肩をもつしかない。
ラインでさんざん不満を言っていたので、嫌なら我慢なんかしないで辞めるしかないよって、返信した。
今回は「串揚げの店」らしい。
居酒屋系が続くのはたぶん、授業が終わる夕方から入れることと、時給がいいからである。
聞いてみると、「えっ、そんなに貰えるの」って金額で、夜10時半すぎるとさらに25%増し。
ここで週に2,3回、終電まで働くという。
「お父さんも、仕事が来なくなったら、使ってもらおうかな」
「東京はみんなそんなもんよ」。ムスメはこともなげである。
今度のバイトは楽しいという。
店長始めスタッフもみんな若くて、高校生のバイトもいる。200円払えば賄いの丼が食べられ、それがすこぶる美味しくて何より経済的、なのだ。
客層も違う。
「ふぐ屋料理さんの客はどっちかって言うと、お金のありそうなオジサンが多かったけど、今度の串揚げチェーン店の客は、20代、30代ぐらいが多いかな」。「子連れで来る夫婦もけっこういるよ」。
働く人もお客さんもみな若くて、庶民的な雰囲気の店、ということらしい。
「若い客だと、酔っ払いとか多くて大変じゃないの?」
いちおう気遣う。
「でもオジサンは威張るし、気に入らないとすぐ怒る人もいたけど、今度の店はそういうのはいないから」
「中にはお金持ちそうで、優しいオジサンも時々いたかな」
昔みたいに、酒を飲んでハメを外すような若者を、いまは見ないのかもしれない。傍若無人に振る舞うのは、むしろオジサンのほう。
ムスメの観察からいろいろ教えられる。ぼくもすでに、歳だけは立派なオジサンになってしまっているので、気をつけないと。
「お金持ちそうで優しいオジサン」。そう在りたいね。
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